新しいクランでのクラチャ。すこし緊張する。
ひとつ深呼吸。
@「こんにちは」
@「こんちわ〜」
:
@「百地丹波さんは、どこがメインですか?」
@「俺やまつじはBB荒地で骨が多いね。ファルクは?」
@「ケント〜グルでランメタです」
@「俺たちは竹流に、アラインメント・フルには骨、って言われたけど?」
@「だよね〜^^」
@「別に聞いていません」
@「・・・さて、火田民村、行くかい?」
@「何が入ります?」
@「GP60、赤P300、帰還スク10枚」
@「え?」
@「そんなに?」
@「これで6回分だよ^^」
@「そんなに持ったら動けません」
@「火田民村は物価が高いから、グルで買って倉庫に入れておくんだよ」
@「へ〜」
@「そなんだ」
@「取りあえず、2回分用意しました。」
@「じゃ、グルから飛んで。火田民村集合ね」
@「僕はチョッと送れます」
@「ウイ」
グルーティオのテレポで火田民村に到着。通称OT(オーク・テリトリィ)。
「まずは1回戦分、持って。あそこのライラと契約するんだ」
契約
SPオークと呼ばれる、屈強なオーク族の侵攻から村を取り返そうとするレジスタンス
運動。SPオークのトーテムは族毎に違う値段で引き取ってもらえる。
要は固定給。
レアアイテムはないが、取りはぐれは、ない。
出発
目指すは村の北、焼畑
その時、Wisが響いた。
>「おはよー」
>「時子さん、おはようございます」
>「ファルク、仲良くやってる?」
>「クランの騎士たち3人で、これから火田民村です」
>「ファルク、行ったことあるの?」
>「はじめて(^^;。でも、オークでしょ?w」
「おーい、何してる。いくぞー」
「は〜い」

焼畑の農地に分け入る。
と、茂みからオークが顔を出す。
とたんに混戦。
オーク?
確かにオークだが、体格が違いすぎる。
オークFが子どもに思えるほどの、筋肉の盛り上がり。
しなやかで、その癖、力強い。
生まれながらの格闘戦士、なのだ。
その上、槍や剣を巧みに操る。
そんな連中が、群れを成して、
あとからあとから・・・。
百地丹波さんとお互いをカバーするように剣を振るう。
やっと片付いた後、百地丹波さんが首をひねる。
「こんなはずは、ないんだが・・」
「どうしました?」
「あれだけ来たのに、トーテムが思ったほどドロップしてない」
アテュバのトーテム(単価200)
ネルガのトーテム(単価100)
デュダーマラのトーテム(単価50)
ロバのトーテム(単価50)
ガンジのトーテム(単価30)
どのオークがどの種族かは、わからなかった。
でも二人合わせても倒した数の1/3程度。
考えている時間は、なかった。
次の一団が囲むようにせまってくる。
私のRKSが、疾る。
百地丹波さんの刀が、唸る。
二人して真っ赤に輝きながら、切り倒していく。
が、
敵は一向に減らない。
逆に増えている気がする。
槍のオークは、仲間の背後から攻撃してくるので、こちらの攻撃が当たらない。
焦りが、諦めが
減り行く赤Pの数と反比例して膨らんでいく。
それが判るのか、SPオークたちが一斉に笑う。
その時、囲みの一角が、崩れた。
見知らぬ若い騎士が、敵を切り開く。
眼と眼が、合う。
にっ、と笑うと
「お待たせ〜。遅れちゃった(^^;」
「まつじ、来たか!」
まつじさん(まっちゃん)の登場である。
SPオークが攻め寄せてくることに、変わりはない。
しかし、こっちの戦力は先ほどまでの比では、ない。
室町幕府の騎士、3人の揃い踏み。
私が、右端。
まっちゃんが、左端。
百地丹波さんを中央に置いた陣形。
「いくぞ!」
ある時は、一列で壁状前進。
ある時は、3方向散開して陣中央を広げる。
巧みにサポートし合いながら、殲滅してゆく。
百地丹波さんは、戦い慣れている。囲まれさえしなければ、強い。
まっちゃんと私は、もう一つ。
SPオークを斬りながら、まっちゃんを観察。
私とは、動き方が違うのだ。
まっちゃんは、敵の攻撃を一旦受け止めて敵の突進力を止めてから、じっくりと
倒していく。
多少の傷を気にしない。
私には、その余力は、ない。
絶えず動いて、敵の切っ先を外す。
ターゲットは私の側で決めさせてもらう(^^。
まっちゃんもまた、二人の違いに気がついたようだ。
無言で役割を、分担。
私が動けなくなる前に、まっちゃんが敵を引き受けてくれる。
まっちゃんに群がろうとする敵を、旋回しつつ、打ち倒していく。
いつの間にか、SPオークの囲みが形を残していない。
あとは簡単。
百地丹波さんの周辺に残った分を両側から片付けるだけ。

静寂
「すごかったね〜」
「そだね〜^^」
荷物袋を確かめて、百地丹波さんが笑う。
「うん、こうでなくちゃ。」
SPオークのトーテムが、ぎっしり。
どれが幾つあるやら、数える気にもなれない。
その時、
!「hです」
弾かれるように、駆け出す。
二人が続く。
あの声は!
SPオークの囲みの中に、時子さんが孤軍奮戦中。
陣形もなにも、私は考えなかった。
勢いのまま、突進。
手当たり次第にSPオーク達の背中に剣を当てる。
SPオークが振り返る。
あっ、という間に囲まれる。
POTはほとんど残っていない。
が
最初の一頭を倒す前に、まっちゃんと百地丹波さんが追いついてきた。
騎士、4人。
数瞬後、動くSPオークは、周囲にいない。
時子さんが、背を向けて立っている。
何も言わず、魔法を使う。
騎士が魔法?
「・・すいません、飛び込んじゃって」
「いいよ、あの数は1人じゃ無理」
「時子さん、魔法使えるんですか?」
「うん。でもMPなくなっちゃった^^;」
「騎士のMPなんて、飾りだと思ってました^^」
「補助的なものだけど、使えるんだよ」
「はい」
まっちゃんと百地丹波さんも時子さんとは初対面ではないようだ。
「トーテムの入るときと入らないときがあるんですが・・」
百地丹波さんが尋ねる。
「SPオークのトーテムは、一頭を1人で倒さないと、落とさないよ」
「そうなんだ・・」
勉強になる。
時子さんが、ふふっと笑う。
「じゃ、私、いくね」
「はい」
「俺たちも村に戻ろう」
「うん」
村でトーテムを清算し、報酬を受け取る。
POT類を補充しても、12k。
12kだって?
普段の何日分だろう。
「俺はもう一戦やるけど、どうする?」
「私は寝ます」
「僕も疲れた」
みんなと別れ、Wisを入れる。
>「時子さん、さっきはありがとう」
>「いえいえ、こちらこそ」
>「来てくれて」
>「どうしてるかって、思ってさ」
>「おやすみなさい」
>「おやすみ」
>「トワさんに、よろしく伝えてください」
>「・・・わかった」 |